リサイクル親父の日記

第31話 テキパキ奥さんは仙台の人だろうか?  

2010/07/20

仙台は学園都市でもあるようだ。
国大の東北大学だけでもかなりの人数だいるだろうし、俺も関係宿舎に何度も買取で行っている。
学生もそうだが、当然職員もレベルが高いと感じる。

個々の能力はそれぞれ違うから、あくまでも接した人々の総合的な感想である、誤解ないように。
別な大学や専門学校であっても、素晴らしい人がたくさんいると思ってもいる。
例えて言うならば、当たり外れが少なくてレベルが平均的に高いようである。

他のケースでは、当たり外れがあったり、レベルが高低が大きいということだ。
「職員官舎で2階の部屋ですけど、テレビボード、食器棚、など・・・、引っ越しですので、持って行ってもらうだけで結構ですので・・・」。
俺は迷った。

しかし魅力もある、何故なら、無料引取で良いからね。
心配は、大型家具が傷んでいないか、古くないか、或は、階段だから作業が苦労しそうだと。
でも、それは現物を前に策を講じても遅くはないから、先ずは行くことにしたのだ。

夫婦と幼い子供二人、片付けで段ボール箱に入れた物は、数十箱積み上がっている。
これからもっと整理も必要なようで、部屋部屋は物が散乱に近い。
大型家具が2点、レンジや小型家具が6~7点、全体としては悪くはないから、俺はホッとしたんだ。

検品してる俺の背中越しに奥さんは、「ねっ、いいでしょ?持ってってもらえるわよね」と迫っていた。
見た目だけの判断は危険過ぎるから、簡単でも検品が済むまでは安請負する訳にはいかない。
検品後、俺は「はい、大丈夫です」と伝えた。

奥さんは、「良かったわ、助かるわ、あなたも手伝ってね、業者さんも大変なんだから」と旦那に指示を出した。
作業が始まった時、俺らの前で奥さんは目の前で化粧を始める、そして、急に言った。
「ドレッサーもイイかしら?あなた、ドレッサーを教えて下さい」と命令した。

旦那はそれが何を指すの分からないようで、ウロウロして迷っていた。
俺はここぞとばかり「ドレッサーはどれっさー?」と親父逆を発した。
二人は「ダサ~ッ」的な反応をして、その場が急に和むのだった。

化粧を終えた奥さんは外出したが、旦那は手際が悪いが俺を手伝おうと必死に作業していた。
こんな時、作業に慣れない人は邪魔だったりするけど、悪気はないからね。
ガス湯沸かし器を取り外そうとした俺は、水抜きをしようと器面に書いてある手順を読もうとした。

老眼は読める筈がない、すると、旦那はスラスラ読んでから「ボクがやります、こうか・・そうか・・・」。
初めてやる取り外しだろうが、理解力が素晴らしい。
本を読んで理解して手順通りにテキパキできる人なのだ。

大学では偉いかも知れないが、家では奥さんに頭が上がらない。
でも二人ともに実にテキパキとやれるのだから、俺も気分良く引取ができたのだ。
しかしテキパキ過ぎる奥さんは、おっとりタイプの女性がが多い仙台にはとっても珍し過ぎる感じがしたんだ。